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スポーツと芸術

 古代オリンピックでは美と力は同等に尊ばれ、競技場やそこに設置された彫刻、さらに詩や音楽までもスポーツ競技と同じように扱われてきました。

 それは近代オリンピックにおいても踏襲されました。日本で始めてオリンピックが開催された東京大会のメイン会場となった国立競技場でも、「美と力」を表現する彫像が設置され、それらは現在でも競技場内に散見することができます。


中央門(正面玄関前)
健康美
「健康美」 北村 西望 作

青年の像
「青年の像」 朝倉 文夫 作

よろこび
「よろこび」 寺田 作雄 作

 競技場の正門に、「健康美」「青年の像」の両者が飾られており、競技選手、役員、関係者を迎えています。
 この2つのブロンズ像は、東京オリンピックの前年(1963年)に飾られました。「青年の像」のバックには、ガラス片モザイクの「よろこび」が、東京オリンピック以来いまだおとろえることない美しい色彩をはなっています。


優勝者銘板

 上部には、御影石に刻まれた「東京オリンピックの優勝者銘板」があります。

銘板の一部 銘板の一部

千駄ヶ谷スロープ付近
円盤投げ
「円盤投げ」 ミロン 作

波
「波」 吉田 三郎 作

 観客入口である千駄ヶ谷門を入り、ゆるやかなスロープを上った所にあります。左側に「円盤投げ」、右側に「波」があり、この2つは対になっています。
 「円盤投げ」像は、ローマ国立博物館の実物を型抜きしたもので、競技場の美装計画の一環として設置されました。
 「円盤投げ」像が美しく力強い競技者を象徴しているとしたら、「波」像は、それと対照的に人間のしなやかさを象徴しているといえるでしょう。


槍投げ像
「槍投げ像」 雨宮 治郎 作

 マラソン門の植え込みにあるこの像は、国立競技場が誕生した当時(1958年)から競技場の敷地内に飾られています。
 その隣には、学徒出陣50周年を記念して建てられた「出陣学徒壮行」が行われた碑があります。


スポーツ博物館前
御者像
「御者像」 ファルピ・ヴィニョーリ 作

 スポーツ博物館入口脇にあり、入館者を迎えています。
 オリンピックでは、第5回ストックホルム大会(1912年)から第14回ロンドン大会(1948年)までスポーツ芸術競技が競技種目として行われていました。その後は「芸術展示」、「文化プログラム」と名称が変わっています。芸術競技であった当時は、各競技と同様に金・銀・銅メダルの授与も行われていました。
 この像は、第11回ベルリン大会(1936年)の芸術競技で金メダルに輝いた作品です。古代オリンピックで行われていた馬車競技の一頭だて馬車を操る御者をモチーフとしています。


代々木門内側
無題
「無題」 三井 泉 作

 代々木門を入って右手の植え込みの中にあります。
 この像は1976年から競技場に飾られました。
 1968年、メキシコIOC総会で、故ブランデージIOC会長の発案により、オリンピックの聖地ギリシャのオリンピアに各国から記念碑を寄贈することになりました。しかしIOC総会で、寄贈案が否決されてしまいました。そこで、東京オリンピックのメイン会場であった国立競技場に設置されることになったのです。
 水泳のスタートの像の中に、人のシルエットが浮かび上がっています。


メインスタンド内
野見宿禰
「野見宿禰」 長谷川路可 作

勝利の女神像
「勝利の女神像」

 競技場を見守るように両者の像が飾られています。
 相撲の元祖といわれる「野見宿禰(のみのすくね)」とギリシャ神話の
「勝利の女神(ニケの像)」によって、スポーツのもつ「美と力」を象徴しています。
 メインスタンドに向かって右側の「勝利の女神像」は、栄光を意味するオリーブとローレルを持っています。

 これらの作品のほとんどは、国立競技場を訪れたときにご覧いただけますが、大会開催時には場内に入れない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

 また、国立霞ヶ丘競技場の敷地外にも、記念碑があります。
 それらは、スポーツと芸術その2でご紹介します。

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